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14歳のバベル

 8年前のある悲劇により心に傷を抱えた14歳の冬人は、ある日、巨大な樽が林立する煉瓦の世界に迷い込む。そこで出会ったのは同い年の王・シルト。生き辛さを抱える冬人に、シルトは言った。「まもなく世界が変わり、君を苦しめているものはすべてなくなる」。

 一方、ビール会社に勤める冬人の父・吾郎は、国民的なビールイベントの準備に忙殺されながら、心を閉ざす冬人との関係に悩んでいた。

 すれ違う父子の周囲で起こる不審な出来事の数々。隠された黙示録的な計画。狙われているのは誰だ? 迫りくる金曜が危ない! 切なくも温かい、予測不能の青春ファンタジー。

小説

新潮社

定価1,800円(税別)

遠く海より来たりし者

小説

新潮社

定価1,800円(税別)

 社史編纂室に異動となった七星製薬の女性社員・外村薫(33)は、岡山支社のさびれた倉庫で一冊のノートを見つける。それはしっぽのようなものが生えてしまった女性の手記で、なぜか地図に掲載されていない島・巻雲島での波乱に満ちた日々が記されていた。強く興味を引かれた薫は、後輩の町田と共にその島に向かうが、妙に整然とした島だったという手記の記述とは正反対の、瓦礫の山と化した光景に言葉を失う。

 この島が「死の島」となった理由が、自分と無関係ではないのかもしれないという予感を抱いた薫は、再び手記を開いた。<私>の激しくも切ない恋、地図男という謎の男や、地下に閉じこもって生きる少女の悲しい宿命、土偶師の悲惨な過去……。それらが交錯し、島に様々なことが巻き起こる中、<私>は驚くべき事実を突き止める。巻雲島が薬を作るための実験島であり、その薬にある生物が利用されているという事実だ。自分に生えた尻尾のようなものは、その生物の身体的特徴なのではないかと疑い始めた<私>は、探し求めていた父親に対しある疑念を抱き始める。だが隠された事実は、薫と<私>の予想をはるかに上回る驚きと哀しみに彩られたものだった。

 薫と<私>が時代を超えてリンクし、最後のピースがはめられた時、巻雲島と薫を取り巻く謎の驚くべき全体像が、ついに姿を現した――。

 

恐竜ギフト

小説

牧野出版

定価1,600円(税別)

 郊外の小さな博物館に勤務する暖子(28)は、平穏に日々を過ごすことが何より大事だと、自ら決めたルールを律儀に守る日常を送っていた。そんな彼女の前にある日突然、ティラノサウルスのティーが現れる。妙に説教臭いティーに戸惑いながらも、一人と一匹の奇妙な共同生活が始まった。

 一方、都内の進学校に通う俊(15)は、できそこないの「容器」を抱えることによる苛立ちや劣等感から高校をドロップアウトし、家を出る。偶然辿りついた博物館で目にしたティラノサウルスの化石に圧倒された俊は、その後ティラノサウルスに似た風貌の男に声を掛けられ、ある事件に巻き込まれる。

 現代にタイムスリップした恐竜と、不器用で、痛みを抱えながら生きる若者たち。

決して交わるはずのない両者が出会った時、何かが動き出す――。

 

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